Tabula (Jan 2019)

日本とクロアチアにおける医療通訳と専門日本語教育としての可能 性検討

  • Naoyuki Matsuno

DOI
https://doi.org/10.32728/tab.16.2019.5
Journal volume & issue
no. 16
pp. 67 – 74

Abstract

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日本をはじめ中国、韓国等の東アジアからの観光客が増加しているクロ アチアにおいて、観光客とのコミュニケーションの課題が浮かび上がってき ている。その中でも対応が遅れている分野の一つとして医療通訳があげら れる。日本語ガイドの数自体が少ないクロアチアにおいては、医療通訳はピ ークシーズンには課題になっていると考えられる。この問題は日本では表面 化しており対応が始まっている。そこで日本における厚生労働省をはじめとし た複数の調査結果を参考にして、現状並びに医療通訳の必要性及び必要ス キルを確認し、クロアチアの日本語教育での応用を考察した。その結果、多く の医療機関が医療通訳の必要性を認識しており、各種施策に加え医療通訳 の育成を目指したカリキュラム基準や教育コースも整備され始めている。プ ーラ大学の日本語学科の学生も将来の職業として、翻訳・通訳者をあげ、 日本での就業を希望しており、専門日本語教育の卒業後の進路の一つとし ての医療通訳者の可能性が確認できた。

Keywords