Antarctic Record (Mar 1961)

Absolute Age of Euxenite from Antarctica

  • Nobufusa SAITO,
  • Tatsuo TATSUMI,
  • Kazuo SATO

DOI
https://doi.org/10.15094/00007098
Journal volume & issue
no. 12
pp. 1057 – 1062

Abstract

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南極地方Lutzow-Holm Bayの東海岸,Skallen地区に見出された花崗岩ペグマタイト中の強放射性鉱物,ユークセン石の年令決定を鉛法により行ない,Pb-206/U-238,Pb-207/U-235,Pb-208/Th-232,Pb-207/Pb-206の比を測定することによって年令を算出した.従来,しばしば異常な値を示すと考えられているPb-208/Th-232の比を除けは,他の三つの比から得られる年令は相当によい一致を示し,平均約470×10^5年程度である.最近AHRENSらは著者の一人(立見)とともに,南極地方の同一地域から産する黒雲母の年令をルビジウム-ストロンチウム法により決定したが,その年令は約500×10^6年であって,ユークセン石の年令とほぼ一致する.従来,多くの研究者により,南極地方産の岩石や鉱物の年令が報告されているが,それらは主として,カリウム-アルゴン法によって測定されたものであり,現在までにユークセン石のような強放射性鉱物を用いて行なった年令のデータは見当らないようである.現在までに集められたデータによれば,南極地方の基盤岩類の一部をなす白榴岩相に属する岩石の年令は少くとも2つのグループに分れるようである.グループAはLutzow-Holm Bayの東海岸,Mirny地区,McMurdo Soundの西側に産する岩石で,約500×10^6年の年令を持ち,グループBはKnox CoastおよびBudd Coastに産する岩石で,約900~1100×10^6年の年令を持っている.本研究を含めたいくつかの研究によって,南極地方に古生代のチャーノッカイトの産出することが確められた.従来,チャーノッカイトは先カンブリア紀に持有の岩型と考えられていたものである.